ピアニスト、ヴォーカルコルペティトール、ヴォーカルコーチ
略歴
1997年渡墺。01年ウィーン国立音楽大学大学ピアノ演奏科卒、05年同大学院歌曲伴奏科を満場一致の首席で修了。同年パッサウ市国際声楽コンクール「最優秀伴奏者賞」受賞。在学中よりオーストリアを中心にドイツ、フランス、イタリア、チェコ、スロバキア、ルーマニアなどヨーロッパ各地にて国際ヨハンシュトラウス音楽祭、シューべルティアーデ等、様々な音楽祭に出演。ルーマニアでは国営放送が音楽祭の様子を生中継した。またオーストリア各地の劇場、オぺラフェスティバルに音楽監督、音楽助監督そしてコルぺティトールとして参加。
類稀な初見能力とどんな音楽ジャンルにも対応できる数少ないオーディションピアニストとしてVereinigte Bühne Wien(VBW)を始め様々なドイツ語圏主要ミュージカルの現場で活躍。劇場関係者から絶大な信頼を得る。膨大なレパートリーを武器にドイツの国際声楽コンクール公式ピアニストなどを歴任。
今までに共演したミュージカルスターは数知れず、エリザベート世界初演エリザベート役を始めウィーンミュージカルの殆どの初演で主役を務めたPia Douwes、2代目エリザベート役のMaya Hakvoort、3代目エリザベート役のAnnemieke van Dam、「モーツアルト!」世界初演でヴァルトシュテッテン男爵夫人役のLenneke Wilmsen、「モーツアルト!」新演出で同役のAna Milva Gomes、ロンドンWest Endで「オペラ座の怪人」ファントム役で出演のKieran Braun、「Mamma Mia」でロージー役のJacqueline Braunなどドイツ語ミュージカルの重鎮からウェストエンドの歌手まで幅広い共演経験を持つ。
日本国内では13年人間国宝渡邉荀之介、中嶋彰子両氏と共に夢幻能&シェーンべルク「月に憑かれたピエロ」に参加。(N.ムース指揮、アンサンフブル金沢メンバー)、16年東京春音楽祭にて再演。同年中嶋彰子、 N響メンバーと共にシェーンベルクのキャバレーソングを収録(NHK名曲アルバム)する。17年にはセイジ・オザワ松本フェスティバル(旧サイトウキネンフェスティバル)にて指揮者なしによるシェーンベルク「月に憑かれたピエロ」を豊嶋泰嗣、宮田大、S.ジャコーらと共に演奏。18年元旦NHK・Eテレ「すごいぞ、にっぽん!古典芸能最新形」にて自ら編曲した八橋検校作曲「みだれ」を25絃箏奏者中井智弥と共演、同年4月には東京春音楽祭初の試みであるナイトイベント「キャバレーを巡る物語」に音楽監督として編曲、バンドマスターとしてピアノを担当。5月にはいしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭、ラフォルジュルネジャポンに出演。9月には俳優・辰巳琢郎の娘、ソプラノ歌手の辰巳真理恵メジャーデビューアルバム(キングレコード)にてピアノ伴奏と編曲を担当する。
近年ではヴォーカルコルペティトールとしての活動に重きを置き、洋の東西を問わず国際的に活躍している。コルペティトールというとオペラコルペティトール以外の分野では日本においてまだまだ馴染みが薄い職業であるが、日々変化する歌手の声のコンディションをケアしてサポートし、音楽的な部分でのアドバイスや、ピアニストとして演奏会で歌手を支える、こうした総合的な歌手へのサポートを行うのがヴォーカルコルペティトールとしての仕事である。トップアスリートとメンターの関係性を「歌手」と築いていくような職業と言えよう。
クラシック発声もミュージカル、ポップスの発声にも対応が出来る稀有なヴォーカルコルペティトールとして20年以上ウィーンで積んできたキャリアをウィーンだけでなく日本においても還元していこうと活動している。
旧ウィーン私立音楽院、ウィーン市立芸術音楽大学(MUK)などの講師を経て現在世界最高峰の音楽大学の一つでもあり、母校でもあるウィーン国立音楽大学及び大学院にて上級講師(准教授に相当)として後進の指導にあたる。